気仙沼のひまわり-〔第11回〕

〔多重債務⑪〕 多重債務の補遺。 誰もが,Sさんのように回収した過払い金で債務整理を果たせるわけではない。貸金業者との取引が短く,取引履歴を利息制限法により引直し計算しても債務が大きく残る場合,自己破産を検討することになる。 考えてみれば,過払い金が返ってくるといっても,もともと自分が払ったお金であり,もっと早い段階で自己破産をしていれば,本来は生活費として使えたはずのお金である。10年以上も取立てに追われ,最後に過払い金が返ってきたとしても,苦しかった年月が返ってくるわけではない。 破産すれば戸籍に載るとか,選挙権が無くなるというのは全くのデマである。 なお,27～29%という約定金利で完済したのならば,利息制限法により引直し計算すれば必ず払いすぎだから,専門家に相談して欲しい。過払い金を請求できる権利は,完済から10年である。 次回からは,多重債務問題以外について取り上げる。 2008/3/17