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弁護士法人 東法律事務所
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リアスの風〔第5回〕

法律事務所と費用


弁護士事務所は敷居が高いと言われ,私もそうならないよう心がけていましたが,最近,「敷居が高い」とは相手に不義理を重ねて行きにくいという意味であって,高級過ぎるなどで行きにくい,という解釈は誤解だと知らされました。

表現はともかく,法律事務所に行きにくいのは「そもそも法律相談の対象となるような事柄なのか。」,「費用が高いのではないか。」の二点が大きいようです。

最近注目される多重債務の問題でも,かつては借金で苦しいので弁護士に相談に行こう,という発想自体が知られていませんでした。当事務所は特に多重債務問題には力を入れており,この連載中にも一度は紹介したいと思います。

さて,弁護士費用について,最高裁判事もされた故色川幸太郎弁護士は,「弁護士は,依頼者の私的な出捐にその生活をかけている。使命は,高度に公の色彩をおびているにかかわらず,そして行動の目標は公益の実現にこそあるのに,依頼者に謝金を要求しなければならないというのは矛盾ではないかという気持にかられた。しかし考えてみるに,このような制度であればこそ,国家等から何の恩恵も受けず,独立独歩の姿勢を堅持し,依頼者のために全力をつくすことができるわけであって,そこに巧まざる妙味がある。」と述懐されたそうです。

弁護士の使命と経済的自立との関係が述べられています。なお,よく聞かれますが,弁護士費用は敗訴した者が相手方分も負担するわけではありません。

(平成21年9月8日の河北新報リアスの風に掲載したもの)

2009年09月08日

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